情報理工
研究群紹介
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Messages from PhD and PhD candidates 2024 Vol.6 橋本 祥 氏(情報理工学位プログラム)
今回は、「Messages from PhD and PhD candidates 2024」と題し、博士後期課程の現役学生・修了生に進学の経緯やご自身の研究、今後の展望などについてお話を伺います。
シリーズ6回目は、情報理工学位プログラム ソーシャルネットワーク研究室で、津川翔准教授ご指導のもと、ソーシャルメディア上での情報伝搬を予測する研究に取り組む、橋本 祥(はしもと あきら)さんにご登場いただきました。
まずは、博士後期課程への進学を決めた理由を教えてください。
私は博士前期課程ではソーシャルメディアサービスを扱った研究を行っていました。しかし、主に対象としていたソーシャルメディアサービスの仕様変更もあり、想定していた成果を挙げることはできませんでした。「もう少し時間を用意できれば、もっと面白いことができるかもしれない」と考えて博士後期課程への進学を決めました。今は博士後期課程に対する金銭的支援も増えているため、あまり悲観する必要はないということも進学を決めた理由の一つです。
博士後期課程への進学を視野に入れた時期はいつでしたか?また、進学に向けてどのような準備をされたか、教えてください。
学類生時代から博士に対する漠然とした興味を持っていました。特別に進学に向けた準備というものは特にしておりません。私は一般入試で進学しましたが、情報理工学位プログラムの入試は博士課程での研究計画をプレゼンし、それに対する教授陣からの質問に答えるというものです。英語での質問もありますが、考える時間ぐらいは待ってくださるので特段の英会話能力が必要というわけでもありませんでした。
現在の研究テーマの概要を教えていただけますか?
私のテーマはソーシャルメディア上での情報伝搬(リツイート、メンション、ハッシュタグ…の広がり)を予測することです。私の分野でのタスクとして、ソーシャルメディア上での情報伝搬に大きな役割を果たした/果たすユーザを特定するというものがあります。Twitterのようなソーシャルメディアで情報が伝わる経路には大きく2種類あります。一つはリツイートのようにフォローしているユーザの発信する情報を受信する経路。もう一つは検索やトレンドといったフォローのネットワークを介しない経路です。ネットワークの情報を用いることで、前者の影響は予測することができますが、この情報だけでは、情報伝搬をうまく制御できないことが分かってきました。そこで私は、機械学習の力を借りて両者の情報を踏まえた情報伝搬の予測手法を確立することを目指しています。
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このテーマに関心を持つきっかけとなった出来事や経験があれば、教えてください。
私は学群3年の研究室配属の際に今の研究室に配属されました。研究室選びの際に決め手となったものは、扱うテーマがソーシャルネットワークという身近なものだったからです。タスク自体もどこで役に立つものなのかイメージしやすかったです。
次に筑波大での学生生活についてお伺いします。普段、一週間をどのように過ごされていますか?
津川研究室は週に1度のゼミと週に1度のオンラインの輪講があります。研究自体はデータの収集から実験まで計算機上で完結しますが、できるだけ研究室に顔を出すようにしています。オンラインの場合は元から用意してある内容を話すことが多くなってしまいますが、対面の場合は突発的なものごとについて他の学生と話すことも多く、刺激になることも多いです。
現在、奨学金など、何らかの経済的な支援を利用されていますか?
次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)の支援を受けています。
学位取得後について、現時点で目標としていることがあればお聞かせください。
アカデミアに残るのか企業に就職するのかは未定ですが、何らかの形で研究を行う職業に就きたいと考えています。
最後に、博士後期課程への進学を考えている、もしくは今迷っている方々にメッセージをお願いします。
私としては、すぐに就職しなければならない特段の理由がないのでしたら、進学してみてもいいと考えます。工学系の分野ですので、進学したからといって、道が狭まるということは無いでしょう。打算的な考えですが、リスクに対して広がる選択肢の価値は大きいと考えます。