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サービス工学

研究群紹介

シス情在学生インタビュー企画 Vol.3: 石渡 崇晶さん(サービス工学学位プログラム )

システム情報工学研究群(通称:シス情)では、在学生に大学院での研究のこと、授業のこと、そして筑波大での生活についてリアルな声を聞くインタビュー企画を行っています。
第3回目の今回は、サービス工学学位プログラムで、サービス産業における人材教育への還元を目指し、小売店販売員の接客中の行動について研究する石渡さんにお話を伺いました。

 

まずは、サービス工学学位プログラムへの進学を決めた理由を教えてください。

 サービス工学学位プログラムを選んだ理由は、グループワークによる実習を通じ、より実践的な知識や技術を身に着けることができると考えたからです。大学の4年間は、理論の勉強といったインプットの活動であっという間に過ぎてしまいました。そこで大学院の2年間は、研究や実習といったアウトプットの活動に時間を使いたいと思い、サービス工学学位プログラムの理念は、その考えとぴったり一致していました。サービス工学を実践的に学ぶことができるところは、日本で唯一筑波大学にしかありません。希少な研究室と学位プログラムに所属していることで、とても貴重かつ恵まれた環境で大学院生活を送っています。
 

社会・認知心理学研究室を選んだ理由についても教えてください。

 社会・認知心理学研究室を選んだ理由は、教育による人間行動の変容に興味があり、それを様々な視点から分析することができるところに惹かれたからです。私の研究室では、人間行動を規定する様々な要因の解明を目指し、質問紙調査などの心理的手法や、機器による行動計測などの工学的手法も用いる学際的な研究を行っています。システム情報工学研究群という理系の研究群に所属しながらも、人間行動を心理学の知見も交えた分析を行うことができる、数少ない研究室です。
 

研究室はどのように探しましたか?

 今まで受けた講義における先生の印象やウェブ上の情報を基に、興味のある研究分野の先生へコンタクトを取りました。私が研究したい分野がある程度決まっていたため、迷わず連絡ができました。
 

石渡さんの現在の研究テーマについて教えていただけますか?

 人から人へ、企業から人へ行われる日本式の接客サービスである「おもてなし」は、東京オリンピックの開催決定を皮切りに世界から注目が集まっています。そのような中、最前線で顧客と接するサービス従業員に対し、付加価値を高める人材教育が重要となります。しかし、その方法や内容は、効果的に成長を促す科学的根拠が十分なものなのでしょうか。
 私の研究では、人材教育への還元を念頭に、小売店の販売員における接客中の行動計測データを分析しています。それは、他の研究室も含めた様々なメンバーや先生方に加え、ウエルシア薬局株式会社のご協力もある研究室横断かつ産学連携の研究プロジェクトとなっています。私は接客中の眼球運動や心理特性に着目をしていますが、その他メンバーは顧客との対人距離や会話中のあいづちなど、プロジェクト全体で様々な行動を分析しています。それらの多角的な視点から生まれる科学的根拠に基づき、新人の方々が早く成長できる人材教育の実現を目指してチームで研究に取り組んでいます。
研究室画像

サービス産業における人材の教育に関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

 教育に興味を持つきっかけは、部活の合宿としてオーストラリアでライフセービング活動を行ったことです。ライフセーバーが最も力を注ぐ業務は、事故を未然に防ぐべく、海に入る前の声掛けや身を守るための知識を普及させることです。しかし、日本では海水浴に対する危機意識が低く、海の知識が乏しいため、ライフセーバーが毎年忙しく業務に励んでいます。その反面、オーストラリアでは海に関する教育がしっかりされていることから、最低限の声掛けのみでほとんどの人が身を守る行動を取ってくれました。その経験より、教育は受け手の行動を変容させ、時に命を守る力があることを強く痛感しました。そして、教育への強い興味と自身の専攻する学問を活かし、より効果的に成長を促すような教育について研究したいと思うようになりました。
 

次に、授業について教えてください。今まで受けた授業で、特に面白い!と思った授業は何ですか?

 サービス工学学位プログラムの専門基礎科目である「サービス満足度解析」を紹介します。この授業では、公益財団法人日本生産製本部の協力により、日本顧客満足度調査という様々なサービスの満足度を大規模に調査した実データを提供していただけます。そして、5人程度のチームごとに調査データの分析を行い、議論を重ねながら有効なマーケティング施策の提案を目指します。したがって、データサイエンティストと経営コンサルタントを掛け合わせた業務を体験できることに加え、先生や企業の方々からも的確なフィードバックもいただけるため、面白いながらも大変有意義な授業でした。他の学位プログラムの方も履修できるため、ぜひとも挑戦してみてください!
 

研究に授業に充実した日々かと思いますが、大学の外で何か打ち込んでいる活動はありますか?

 茨城県守谷市において、学生同士でシェアハウスをしながら地域活性化に向けた活動を行う「“飛び込む・関わる・創る”守谷学生シェアハウス事業」に参加しています。私は、毎週日曜の午前に地域内の児童を対象とした学習支援教室を企画し、その運営責任者を担っています。企画に至ったきっかけは、市が運営する学習支援教室のチューター員として活動する中、その開催場所が私の住む地域から遠いため、児童の通学が大変である課題を実感したことです。したがって、児童にとって町内会の管理する集会所で開催することによって物理的距離が近く、学校の先生より歳の近い学生が運営することによって心理的距離も近い教室を実現しました。初めは、学校から出される宿題の補助程度しか行っていませんでしたが、児童の声も拾いながら教材を準備するなど、今後とも柔軟な教室運営を工夫して行っていく予定です。
 

今後の進路について、現時点で目標としていることがあれば、教えてください。

 サービス産業の人材教育において、科学的側面から解決策を提案できるデータサイエンティストを目指しています。日本におけるサービス産業は、雇用やGDPの大部分を占めるようになっており、今後ともさらに発展していくことが予想されます。そのような局面において、効果的に付加価値を生みだす人材を効率的に育てることは、とても重要です。しかし、サービス産業の業務や人材教育は無形性が強く、多くの問題が山積しています。したがって、教育に対する興味に加え、大学院までに培ったサービス工学やデータサイエンスの素養を活かし、問題解決ができるに人になりたいと考えています。
 

最後になりますが、今、シス情やサービス工学学位プログラムの受験を考えている皆さんに、何か伝えたいことがあればどうぞ!

 サービス工学学位プログラムでは、様々な研究室や企業、公官庁が協働して研究が行われています。加えて、学生や先生、企業に勤める方々との壁が非常に低く、研究を通して様々な人と関わりながら多くの経験を積むことができます。したがって、研究やグループ実習を通じた知識と技術の応用力に加え、社交性や協調性も身に着けながら人間として成長できる場であると学生目線でも強く感じています。あらゆる背景を持った学生が、学内外、国内外問わず集まってくる場所ですので、ぜひとも先生方へお気軽にコンタクトを取ってみてください!
 

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