知能機能システム
研究群紹介

シス情在学生/OB・OGインタビュー企画第2弾 Vol.6 猪崎 遼大さん(知能機能システム学位プログラム)
システム情報工学研究群(通称:シス情)では、在学生や社会で活躍するOB・OGへのインタビュー企画を行っています。
第2弾の今回は、2020年11月18日(水)開催予定の博士後期課程進学説明会 とタイアップし、博士後期課程の現役学生・OBに進学の経緯やご自身の研究などについてお話を伺います。
第6回目は、幼少期から音楽好きであったことをきっかけに、ヴァイオリン・チェロなどの擦弦楽器の演奏をデータにより可視化する研究に取り組む、猪崎 遼大さん(知能機能システム学位プログラム)にご登場いただきました。
まずは、猪崎さんが博士後期課程への進学を決めた理由を教えていただけますか?
博士前期課程からの研究テーマである「擦弦楽器における奏者との相互作用に基づいた擦弦動作に関する演奏技術の可視化」において, 前期課程だけではなく後期課程も通してじっくりと向きあいたいと考えたためです.
後期課程への進学を視野に入れた時期はいつでしたか?また、進学に向けてどのような準備をされたか、教えてください。
学部3年の冬からです.
大学院進学後は, 指導教員である若槻先生のご指導を頂きながら, 博士後期課程も視野にいれた研究テーマ・計画を整えつつ, 研究を進めました.
猪崎さんの現在の研究テーマについて教えていただけますか?
研究テーマは「擦弦楽器における奏者との相互作用に基づいた擦弦動作に関する演奏技術の可視化」です.
楽器演奏時, 奏者は理想の演奏に近づけるために楽器からの演奏音や手応えなどの応答を利用し演奏を調整しています. この演奏を調整する能力は練習での演奏経験によって培われるため, 奏者の「演奏技術」と捉えることができると考えています.
ヴァイオリンやチェロなどの擦弦楽器は, 弓で弦を擦ること(擦弦動作)で発音します. 演奏時の擦弦動作において, 弓で弦を押す力, 弓の速さ, 弓で擦る位置が主に重要とされており, 美しい音を奏でるためには, これらの要素を楽器からの応答を用いて同時に制御を行う必要があります. このことから, 擦弦楽器の演奏には, より複雑な演奏技術の習得が必要です.
そこで, 私達は擦弦動作における相互作用を計測し, 演奏技術を可視化することで, 演奏教育や技術の伝承などに応用できるのではないかと研究を行っています.

「弦楽器の演奏技術を可視化」するというテーマに関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
研究をするにあたり, 小さな頃から音楽が好きだったため, 音楽に関連したものにしたいと考えていました. 博士前期課程進学にあたり, そういった研究を行っている音響システム研究室に見学に来た際に, 現指導教員である若槻先生から, このテーマをご提案していただき, 自身でも演奏方法の可視化に魅力を感じたため, 現在の研究テーマ・分野を研究するに至りました.
次に筑波大での学生生活についてお伺いします。普段、一週間をどのように過ごされていますか?
平日は特に用事がない限り, 研究室で過ごし, 自身の研究を進めています. また, 研究における視野が狭くならないよう, 先生方や研究室のメンバーとの何気ない日常会話も大切にしています.
ただ, 今年度はコロナの影響により, できる限り家で過ごすようにしていました.
現在、奨学金など、何らかの経済的な支援を利用されていますか?
日本学生支援機構から奨学金を借りています.
学位取得後の進路について、現時点で目標としていることがあればお聞かせください。
学位取得後の進路については, 具体的にはまだ考えていません. 研究分野の知識や魅力を胸張って伝えられる人材になりたいとは考えています.
最後に、博士後期課程への進学を考えている、もしくは今迷っている方々にメッセージをお願いします。
研究テーマによっては, 博士前期課程だけでは時間に制限があり結果に物足らないこともあると思います. もし, 博士前期課程での結果に満足せずに, さらに研究テーマを極めたいのであれば進学をおすすめします.