エンパワーメント情報学
研究群紹介

シス情在学生/OB・OGインタビュー企画第2弾 Vol.3 石切山 順一さん(エンパワーメント情報学プログラム)
システム情報工学研究群(通称:シス情)では、在学生や社会で活躍するOB・OGへのインタビュー企画を行っています。
第2弾の今回は、2020年11月18日(水)開催予定の博士後期課程進学説明会 とタイアップし、博士後期課程の現役学生・OBに進学の経緯やご自身の研究などについてお話を伺います。
第3回目は、介護・医療現場で、障害をもつ人々や患者さんを支援するインターフェースの研究を行うエンパワーメント情報学プログラムの石切山 順一さんにご登場いただきました。
まずは、石切山さんが博士後期課程への進学を決めた理由を教えてください。
いくつかありますが,一番大きいのは博士の先輩方の影響ですね.
優秀なだけでなく,人間的にも尊敬できる人達で,今でも彼らの背中を追いかけている所があると感じています.
後期課程への進学を視野に入れた時期はいつでしたか?また、進学に向けてどのような準備をされたか、教えてください。
とある学会参加時に.民間企業に所属している数多くの研究者と出会い,博士の活躍の場がアカデミックな領域だけではないことに衝撃を受けたのが始まりだと思います.確か,修士1年次の9月ごろでした.
進学(現プログラム3年次編入)に向けての準備は,自身の研究を進め,国際学会論文の執筆を行ったことです.
所属プログラムへの出願では,研究への姿勢も評価されるので知見を深めておくに越したことはないですね.
石切山さんの現在の研究テーマについて教えていただけますか?
私は介護・医療の現場で,
1)視覚障害を持つ人々が自分でお化粧の仕上がりを確認出来るようにするための支援,
2)顔面神経麻痺という病気の診断をより正確にするための支援,
についてそれぞれ研究を進めています.
いずれのテーマも,「顔」の形の違い,細やかな動き,といったものを扱います.それが見る人(分かる人)によってまた違った意味として捉えられるのです.私の研究はそのような知識を形式的に表すことを目指しています.

▲視覚障害を持つ人々の為の化粧支援実験の様子.使用者のセルフィーを解析し,音声フィードバックを行う.
この研究テーマに関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
やはり,現場の困っている人の意見や要望,励ましを受けたのが大きいと思います.
自分の研究が直接人々の助けになる場面を目にすることは,とても刺激的です.
次に筑波大での学生生活についてお伺いします。普段、一週間をどのように過ごされていますか?
家で研究をするのが好きなので,平日は専ら引きこもっています.自身の研究の性質上,いろいろな人と会って話すことが多いので,その反動もあるのかもしれません.研究室にも顔を出しますが,どちらかと言えば,研究室のメンバーとご飯を食べに行ったりする目的の方が多いです.休日は絵を描いたり,写真を撮ったり,山に登ったり,ギターを弾いたりと趣味に生きています.
現在、奨学金など、何らかの経済的な支援を利用されていますか?
エンパワーメント情報学プログラムの給付型奨学金制度,研究室のRA任用を受けています.
学位取得後の進路について、現時点で目標としていることがあればお聞かせください。
博士学位を取っても研究者として一人前ではない,と考えているので,より多くの現場を渡り歩いて信頼される職業博士人材になりたいと考えています.
最後に、博士後期課程への進学を考えている、もしくは今迷っている方々に、ぜひメッセージをお願いします。
私見ですが,学びの時間と選択肢において,課程博士にアドバンテージがあると感じています.所属プログラムでは,他分野を覗いてみたり,ビジネスの道に一歩進んでみたりなど,人それぞれの理想に近づく機会を与えてくれます.その自由度に魅力を感じるのであれば,扉を叩いてみてはいかがでしょうか?